淀
淀川さん (7xct84m9)2021/5/23 00:46 (No.2133)削除【名前】五鈴( いすず )
【性別】女
【年齢】約1700( 見た目年齢:10歳前後 )
【種族】怪異 / 元々は二神一体の鈴の付喪神
/ 街では時折、山中の神社に近付いた人が行方不明になる事件が起こっていた。
そして行方不明になった人は皆、見るも無惨な姿で発見される。肌は焼けて頭髪は抜け落ち、胸元には無数の刺傷があるのが確認されている。所々骨まで見えてしまっているものもあったらしい。
唯一逃げ帰った人が語るには、小さな少女の声が聞こえたのだと言う。
「 鈴の音、お好き? 」
けれど少し前からそういった事件は聞かなくなった。少なくとも山の神社で変死体や白骨死体が見つかることは、ある日を境にぱったりと止んだのだ。
それからはたまに、鈴がコロコロと転がるように、嬉しそうな少女の笑い声が山に響くようになったのです。
【性格】
昔昔、そのまた昔。彼女はとても優しい神だった。
愚かな人々に寄り添い、願いごとは良く聞き入れた。人々が苦労のないように、夜に蔓延る所謂 “ 悪鬼 ” だとか “ 怪異 ” と呼ばれる者を進んで懲らしめてたりもして。人の幸せを願い、心からの笑顔が大好きな神だった。争いを好まず、時に優柔不断でパッと決められないことはあるけれど、少し半身の事には過激になるような神だったけれど、根の優しさから人々に愛されていた。
とても、優しい神だった。
しかしそれはあくまでも昔の話で、今の彼女は似ても似つかない性分の持ち主だ。
人間というものを酷く嫌い、吐瀉物を見るような瞳で常に人間を見下している。優しさなんてそんなもの捨ててしまっていて、残っているのは人への怨みだけ。人間の醜さを知ってしまった今では、過去の優しさを、慈悲を、愛を、他に向けることはなくなってしまった。かなり口も悪い。
半身を失ってしまった影響で荒みきって、昔のように小さな楽しみを見出すことすらも困難。
彼女の見る視界は異常そのものである。というのも、堕ちてしまった事への代償からか、それとも憎しみによる思い込みからか、人間は「 蠢く肉塊 」にしか見えない。そのままの姿が見えるのは、おなじ妖と契約者である一人だけ。その契約者ですらも、“ 本当に ” 見えているかなんて誰も分からない。彼女の視界は、彼女だけのものだから。
人間は醜いから嫌い。幸せを奪っていくから嫌い。
他の妖は邪魔をしなければどうだっていい。
ただほんの少し、怪異には好意的。
彼女は一人の人間に執着している。
白くて赤くて黒い人間の彼を、自らが失った片割れなのだと思い込んで、二度と離さないように傍を付いて回っている。彼が悲しむから、憎い人間を見境無しに殺すことはしない。しかしその彼が望むのなら、彼女は言葉の如く身を削って命を奪いにいくだろう。そうでなくとも、気に食わないことがあれば、彼女はあなたを敵だと認識するだろう。
だけれど彼と離れたくないから、どれだけ人間が憎くても基本的に友好的であるように接する。
直接殺しにかからないだけというのを友好的と捉えるかは人それぞれだが、少なくとも出会って直ぐに自我を忘れて襲ってくることは無い、はず。
彼女は、本当の片割れが付喪神としてまだ生きていることを知らない。
【容姿】
風に揺れる藤色のふわふわとした綿のような髪はとても長く、地面に擦れはしないものの膝を超える程。サイドに大きな鈴を二つ髪飾りの代用として使い、全体的に見ると控えめな括られた髪が二つ、鈴の下から見える。頭の鈴には普通あるはずの音を鳴らすための玉が入っておらず、何も鳴らない。それであるのに彼女が歩くのに合わせて、不気味な鈴音が鳴るのだから摩訶不思議なもの。
横髪はかなり変な癖が付いており山のようになっている。そこに括り付けられていたそれぞれ15個の鈴の束二つを契約者に渡したことで、そのような面白い癖になったと考えられる。
双眸に嵌る大きな瞳は濁った赤色。目と眉の形だけ見れば優しげであるのに、どこへでも引っ付いて回る冷淡さを隠せておらず、きめ細かな肌は死人のように白く血の気が全く持って感じられない。
身に付けている着物は、幼い女児が七五三の歳に身に纏うような、濃い桜色の振袖。桜の柄に染められた着物はとても愛らしく、良い家柄の童女のようにも見える。足には白い足袋と、3cm程の高さの茶色い草履を履いている。
着物の帯に隠すように挟まっているのは、とても小さな小ぶりの刃物。刺身包丁のような形をしたそれは、いつの間にか手元にあった。
【身長】141cm( +3cm )
【能力】
本来、彼女はただの鈴。これといって、役に立つような力は持っていません。精々出来て、鈴の音を聞かせて人の心を落ち着かせたり、逆に乱したりするようなものです。寝る前に鈴の音を聴くなどすれば、きっと任意の夢が見れることでしょう。
しかし今の彼女はただの鈴ではありません。呪い呪われ堕ちた鈴です。彼女の息の罹った鈴の音は、地の底に眠る脆弱な死体共を、いとも簡単に操ってしまう程の邪悪さを持っています。蘇った死人達は、外の国に伝わる所謂僵尸というものに動きがよく似ているようです。
【顕現方法】
彼女は契約者に迷惑をかけないよう、神社で一人呼ばれるのをずっと待っています。もしかしたら、街で暇を潰しているかもしれません。
すぐに呼び出したいと思うなら、契約後に彼女から渡される30個の鈴に意識を集中させながら名前を呼んでください。
契約者であるあなたの呼びかけなら、彼女はいつ何時であろうと無視することはしません。
【契約方法】
彼女は大切な半身をずっと探しています。半身を殺してしまったことをずっと悔やんでいます。
もしあなたがそれに成ってくれるというなら、山中の寂れた神社の中にある神棚に、油揚げと酒をそれぞれ二つずつ供えてください。
必ず一人で行ってください。
半身は一人しか要りません。
次第に供えた片方が腐り果てていきます。同じように少しづつ、耳障りな鈴の音が大きくなっていくことでしょう。
それからは膝を付き、顔を伏せて、絶対に神棚の方を見てはいけません。
足音がします。赤い水溜まりを踏み締める少女の足音です。
足音がします。神社の奥から響くそれは徐々にあなたに近付いていきます。
足音がします。あなたの目の前で足音が止まった時、しっかりと少女の顔を見て、しっかりと少女に笑いかけて、名を呼んであげてください。
今広まっている怪異としての名前ではなく、昔呼び親しまれてきた本当の名を呼んであげてください。
彼女の真名は、「 鈴彦姫 」 と申します。
死ぬまで一生一緒にいてあげてください。
認められれば、あなたの事を「 ひぃちゃん 」と呼んで大切にするかもしれません。
彼女はあなたを守る盾になり、歯向かう者を滅する剣となるでしょう。
しかしそれは片割れであるあなたにだけ。
人間は守れません。守ろうともしてくれません。
彼女が人間に裏切られた事への怨みで堕ちた怪異であることを、決して忘れないでください。
【契約者】有 / 無医名 白( 古希さん宅. )
【好/嫌】
好 / 「 ひぃちゃん 」.
嫌 / 人間.
【備考】
一人称 / いすず.私.
二人称 / お前.あなた.
鈴の付喪神からは、鈴の怪異が見えません。
鈴の怪異からは、鈴の付喪神が見えません。
触れることも、話すことも、すれ違うことさえできません。
[ --- ]
むかしむかし、ある所に、人間に裏切られた哀れな神が二柱おりました。
二柱の名を、「 鈴彦姫 」 と申します。
…………。
…………。
それだけのことです。
【SV】
「 うるさいうるさい。いつまで経っても野鳥の様に騒がしいのね人間は。これでは静かに眠れもしないの。それもこれもお前らの所為よ。お前よお前、其処のお前。 」
「 お早う有象無象ども。……なに、挨拶をするのがそんなに可笑しいの? 五鈴だって挨拶くらいできるのよ。 」
「 今宵はとても月が綺麗ね。それでも五鈴は気分が頗る悪いの。街には人間があんなに沢山蠢いて、犇めいて、穢らわしくってありゃしない。殺してしまいたいわ。 」
「 ひぃちゃんが悲しむからね、お前は殺さないであげる。感謝してね。 」
「 ねえ、ひぃちゃん。あなたが守れといえば、人間を守ってあげてもいいわ。あなたが殺せといえば、気に入らない人間を殺してあげるわ。 」